TOP > ブログ > マネーコラム/緊急レポート「年金」を解く
これから年金はどうなる?
● 緊急レポート「年金問題」を考える
現状で様々な問題を抱えている「年金」について自己防衛策を考えてみたいと思います。
※若い方の年金記録も消えています。基礎年金番号が導入されていない10代の頃に転職経験がある方は要注意です。
☆ライフプラン作成、自分年金作りのご相談 ⇒ info@fp-trc.com
●老後の安心は自分年金作りから −若いほど有利−
2007年から団塊世代の年金受給が開始します。年金受給者の平均余命は20年以 上ありますが、この財源を支える現役世代の人口は減少していきますので、今のままのしくみでは、公的年金制度は急速に危うくなっていきます。
政府は公的年金制度を維持するために、年金受給開始年齢を遅らせたり、マクロ経済スライド制度を導入して、物価が上がったとしても、同じ率だけ年金額を引き上げないようなしくみをつくりました。
このような改正も公的年金制度を維持するためにはやむを得ないかもしれませんが、ここにきて年金制度そのものが崩壊しかえない事態が発覚しました。
年金保険料を支払ったにもかかわらず、社保庁側のミスで、年金記録が破棄されたり、基礎年金番号に未統合の宙に浮いた年金記録が5000件もあるというのです。
( 対策 ⇒ 社会保険事務所などで年金記録の照会をしてください。 )
実収入の約85%を公的年金などからなる社会保障給付が占めている現状からすると公的年金制度がなくなることはないと思いますが、これまでのように公的年金に頼った老後の生活設計は成り立たなくなります。
( 対策 ⇒ 老後の安心のために自分年金をつくるしかありません。 )
●自分年金づくりの3つのステップ −年金作りは計画的に−
1.ライフプランの確認
ライフプランは自分と家族の生涯にわたる生活設計図です。ライフイベントには就職、結婚、子供の誕生、教育、住宅取得、退職、独立、車の買い替え、旅行などがあります。
2.キャッシュフロー表の作成
ライフイベントにはお金がかかります。キャッシュフロー表は、収入と支出、収支差額、金融資産残高の推移を一覧表にしたものです。これにより、ライフプラン達成が資金面からみて可能かどうかの予測や、現状および将来の問題点が分析でき、対策を立てることができます。
3.実行プランの作成、実行、定期的な見直し
キャッシュフロー表で問題点を把握したら、実行プランを作成し実行します。金融資産残高のマイナスは家計破綻を意味します。収入を増やす、支出を減らす、金融資産に働いてもらうなどの対策を考えます。実行プランは作成後も定期的に見直すことが大切です。
●老後に必要な資金を計算しよう −計算の考え方を学んでください−
読者には、これから結婚をされる方、離婚をされた方など様々だと思います。
下記では厚生年金モデル世帯を念頭におきました。
[前提条件]
・夫婦同年齢、妻は専業主婦、夫は厚生年金に40年加入、
退職金は1,200万円とする。
・夫婦の年金は月額22万円、夫死亡後の年金は月額16.5万円とする。
・生活費は月額28万円(夫死亡後20万円)、
ライフプラン資金・予備費総額700万円とする。
・65歳の平均余命は男性18年、女性23年とする。
[計算過程]
○65歳以降の支出
1.夫婦同居期間:28万円×12ヶ月×18年間=6,048万円
2.妻の独居期間:20万円×12ヶ月×5年間=1,200万円
3.ライフプラン資金・予備費総額:700万円
4.支出額合計:1+2+3=7,948万円
○65以降の収入
1.夫婦同居期間:22万円×12ヶ月×18年間=4,752万円
2.妻の独居期間:16.5万円×12ヶ月×5年間=990万円
3.退職金:1,200万円
4.収入合計:1+2+3=6,942万円
○65歳までに準備するお金
支出−収入:7,946万円−6,942万円=1,006万円
★物価上昇率も考慮に入れよう!
現在45歳、物価上昇率が年2%とすると20年後に必要なお金は1,004万円×1.4859(終価係数)=約1,495万円になります。
以上は公的年金をベースにしています。公的年金が崩壊したら私達の老後の生活は成り立ちません。
いかがでした?
こんなに年金もらえるの?と思われた方もいると思います。将来のことは私にもわかりません。将来の年金額、将来の支出プランによって準備する金額は、大きく異なります。
ここでは考え方を学んでください。そして一日でも早くライフプランを見直してください。
●自分年金づくりに適した金融商品を選ぶ −若いほど選択肢が拡がる−
生命保険文化センター「生活保障に関する調査」(平成16年)によると具体的な準備手段としては、「個人年金保険や生命保険」が43.5%と最も高く、「預貯金」の41.8%が続いています。
しかし、低金利の時には預貯金や定額個人年金保険などにお金を預けておいてもお金は増えません。
お金を増やすためには、投資信託(株式、債券)や変額個人年金保険(保険版投資信託)などのリスク商品で運用することが必要です。積立投信ならば、少額で分散投資が可能なうえ、高値で買うリスクも避けられます。長期投資でリスクを抑えながらハイリターンを狙えます。ただし、必要以上にリスクをとる
ことは避けるべきです。
上記に一例として老後に必要な資金を計算しました。この例を参考にすると、20年間で約1,495万円を貯めなければなりません。
例えば20年間で約1,495万円を貯める場合、運用利率によって毎年の積立額が大きく異なります。
運用利率を1%⇒毎年の積立額は、約68万円(月額約5.7万円)
運用利率を3%⇒毎年の積立額は、約55万円(月額約4.6万円)
運用利率を5%⇒毎年の積立額は、約45万円(月額約3.8万円)
です。
毎年約68万円の積み立てが可能であれば、投資信託でも債券の割合が多く、株式の割合が少ないものを選ぶべきです。(リスクの大きさ:債券<株式)
下記に投資信託と変額個人年金保険の主な相違点(一般例)をまとめましたのでご参考にしてください。
■投資信託vs変額個人年金保険
○購入時の手数料
投信:投資額の0〜3%程度
変額:ほとんどの商品で不要
○運用中の手数料
投信:信託報酬として資産総額の0.3%〜2%程度
変額:保険関係費用と運用関係費用で積立額の1%〜3%程度
○運用期間中の収益に対する課税
投信:原則20%分離課税
変額:非課税(利益の繰り延べ効果)
○解約時の課税
投信:原則20%分離課税
変額:原則一時所得
○所得控除
投信:なし
変額:生命保険料控除
○死亡受取額
投信:時価
変額:時価(但し払込保険料相当額の最低保証あり)
○相続税評価
投信:時価評価
変額:時価評価 但し、500万円×法定相続人数の非課税特典あり
○解約ペナルティー
投信:信託財産留保額として0〜0.3%程度
変額:保険料払込から一定期間(7年〜10年)積立金に対し0〜8%の解約ペナルペナルティーが発生
★上記は長期運用を前提とした金融商品です。老後まで数年しかない方と10年以上ある方では金融商品もリスクのとり方も全く異なります。
※運用中の手数料は金融機関の大きな収益源です。しかし、購入者から見ると手数料が高いと運用の成果に悪い影響を与えます。
※運用期間は長ければ長いほど有利です。
☆ライフプラン作成、自分年金作りのご相談 ⇒ info@fp-trc.com