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●平成18年10月実施の健康保険法等の改正
「健康保険法等の一部を改正する法律」が平成18年6月21日に公布されました。ライフプラン・ファイナンシャルプランニングに影響の大きい改正内容となっています。ここでは平成18年10月から実地された改正内容についてお伝えします。
現役並みの所得のある70歳以上の患者の療養の給付にかかる一部負担金を2割から3割に引き上げ
現役並みの所得は夫婦2人世帯で年収約520万円です。1.5倍の負担増になるわけですから、該当する70歳以上の方の負担感は相当なものだと思います。
療養病床に入院する70歳以上の患者には食費・居住費を負担
病床には、特定の疾患を対象とする病床以外に、一般病床と療養病床があります。一般病床は主に急性期を対象とし、療養病床は主に慢性期を対象とします。
療養病床には医療保険適用の「医療型療養病床」と介護保険適用の「介護保険型医療施設」に区分されています。
介護保険型医療施設に入院している高齢者の食費・居住費の負担は既に行われていますので、これとバランスをとるため医療型療養病床に入院する高齢者にも同程度の負担を求めました。
なお、入院医療の必要性が高い患者(脊髄損傷、人工呼吸器が必要、難病など)は、従来どおり入院時療養費が支給されます。
保険外診療が評価療養または選定療養と認められれば、保険診療部分は、保険外併用療養として支給(特定療養制度は廃止)
従来、高度医療や特別病室の入院を希望した場合、厚生労働大臣が定める保険外診療について差額を負担することで、保険診療部分は「特定療養費」として支給されました。
改正法では、「特定療養費」は廃止されました。代わりに「評価療養」「選定療養」に区分された「保険外併用療養費」として整理されました。
「評価療養」は高度な医療技術など、「選定療養」は差額ベッドなどです。
高額療養費の自己負担額を低所得者を除き、賞与を含む総報酬に見合った水準に引き上げ
高額療養費とは、保険適用対象分の自己負担額が高額になったときに後から払い戻されるお金です。
●従来
70歳未満の一般の方の自己負担額の上限は
72,300円+(医療費−241,000円)×1%
70歳未満の上位所得者(月収56万円以上)の自己負担額の上限は
139,800円+(医療費−466,000円)×1%
●改正
70歳未満の一般の方の自己負担額の上限は
80,100円+(医療費−267,000円)×1%
70歳未満の上位所得者(月収56万円以上)の自己負担額の上限は
150,000円+(医療費−500,000円)×1%
出産一時金・家族出産一時金の額を35万円に引き上げ
従来の30万円から5万円引き上げられました。
埋葬料・家族埋葬料の支給額を一律5万円に見直し
従来、埋葬料は標準報酬月額の1カ月分(最低保障10万円)、家族埋葬料10万円が一律5万円に引き下げられました。中高年の方の標準報酬月額が50万円以上の方は多いでしょうから、埋葬料が一律5万円しか支給されないということは大きな影響です。
地域型健康保険組合を創設
by CFP新美昌也